パピーウォーカーという言葉をご存知でしょうか?
あまり聞きなれない言葉ですが、「どうぶつピース!!」で紹介されたこともあり、興味が出てきた方もいるかもしれませんね。
そこで今回は、パピーウォーカーについてご紹介したいと思います。
パピーウォーカーって何?どんなことをするの?
「どうぶつピース!!」をご覧になった方は、ご存知だと思いますが、パピーウォーカーを一言で言うと、盲導犬になる前の子犬(候補犬)を生後2か月頃~1歳になるまでの約10か月間、育て親になるボランティアのことを言います。
1歳になるまで一緒に暮らしていく中で、人と暮らす上でのルール、生活の音、人とのかかわり方など、様々なことを学んでいきます。
犬の生まれてからの1年は、人が生まれてからの20年くらいに当たると考えられるので、1歳までの1年間は教育していく最も大切な期間になります。
盲導犬になるための準備段階ですから、1年後に盲導犬として活躍できるよう、専門家のアドバイスも受けながら、愛情をもって育てていきます。
1年間にも満たない限られた僅かな時間を共有することは、環境さえあれば、子育て中のご家族にとっても、すごく学びを得る時間となりそうです。
私も子ども達が、「犬飼いたい!」とよく言ってくるので、パピーウォーカーもありかなと考えしまいます。
実際問題として、大型犬なので、食費や長時間のお散歩など、簡単な問題ではないこともあるため、じっくり考えていきたいです。
パピーウォーカーになるには?
パピーウォーカーになるためには、盲導犬協会が定める委託基準を満たしていないといけません。
パピー(盲導犬候補犬)委託基準
1.室内で飼育が出来ること 2.留守にすることが少なく、仔犬の世話が出来ること 3.仔犬のしつけに対して、家族全員の協力が得られること 4.飼育費用をご負担いただけること。(医療費・犬具・餌代等) 5.協会の方針に沿った飼育をしていただけること 6.パピーウォーキング委託時および修了時、飼育講習会など、必要に応じて総合訓練センターまで来所可能であること 7.現在、犬を飼育されている方はご相談ください 九州盲導犬協会HPより引用
まずは、これらの基準を確認して、クリアできているようなら、ボランティアの申込を行います。
書類を送付した後、委託条件を満たしているかを検討する審査が行われます。
そして、審査に通れば、事前講習会で説明を受け、面談を済ませれば、パピーウォーカーとしてボランティア登録されることになります。
特に厳しい審査基準があるわけではありませんが、委託基準の1と2に挙げられている内容が、特にネックになってきそうです。
共働き世帯が多いため、日中留守にすることが多いご家庭や、アパート暮らしでは基準を満たさなくなってしまいます。
預かった当初は、まだ生後2ヶ月なので、身体も小さく、場所を取ることもほとんどありませんが、引き渡す前の1歳頃には、体重20kg~30kgくらいの大型犬へ成長しています。
そのため、室内飼育という条件では、かなり広いスペースが必要になると考えられます。
都市部より地方の一軒家にお住まいのご家庭の方が、環境的にはパピーウォーカーに向いているのかもしれませんね。
パピーウォーカーに必ず訪れる別れはつらいの?返したくないの?
盲導犬協会から預かった1歳になるまでのお約束ですから、預かってから約10ヶ月後には、必ずお別れする時がやってきます。
愛情たっぷりに育てれば育てるほど、別れは辛くなるものです。
それは人でも動物でも同じだと思います。
「また明日ね!」と言って別れる学校帰りとは違い、もう会えなくなる「さよなら」のお別れです。
しかし、この世から命が亡くなる別れでもありません。生きて元気な状態でのお別れになるので、仲の良かった友達が、遠くに引っ越していくイメージでしょうか。
別れが辛いことに変わりはないのですが、パピーウォーカーとして育ててきた方々の全てが、辛く悲しい別れになっているわけではないようです。
預かっているという自覚を忘れず、10ヶ月後には、必ず返さないといけないということを、常々考えて接していることが、つらくない別れができるポイントのようです。
パピーウォーカーさんの声は?
パピーウォーカーとして、子犬から10ヶ月間育ての親として、暮らしてきた心境はどうなのでしょうか?
実際に、パピーウォーカーさんの声がありましたので、いくつか紹介させていただきます。
「よく『お別れがつらいからわたしには出来ないわ~』なんて言われますが、わたしたちだってもちろん委託修了のときは寂しい思いをします。でもわたしたちが送りださなければ盲導犬はいつまでも増えません。新生活をスタートさせるわが子を送り出す気持ちです。」
寂しい気持ちがあるのは、間違いないですが、心境としては我が子を送り出す気持ちのようですね。
そう考えると、大学生や社会人になり、家から遠方へと送り出す時の親の心境に似ているのかもしれません。
この子が将来盲導犬としてお仕事する姿を想像し、そしてその先にユーザーさんの姿が見えるように、常にそのことを念頭に置いて育てているようにしています。この意識はまだ小、中学生の子どもたちにもとても良い影響を与えていると思います。預かっている犬という意識があるからしつけの仕方や接し方も責任感を持ってお世話することが出来ているのではないでしょうか
単に楽しく子犬を育てるだけではなく、盲導犬として活躍できるよう、先のことを念頭において育てていくことは、実際の子ども達にも良い影響を与えていくようですね。
私個人的にも、子育てにも良い影響を与えるなら、パピーウォーカーをやってみたいなという気持ちが出てきます。
まとめ
パピーウォーカーとは、盲導犬の候補になる子犬を、成犬になるまでの約10ヶ月間、預かり育てていくボランティアのことを言います。
パピーウォーカーになるためには、委託基準が定められていて、その基準を満たしている必要があります。
基準を満たしていた場合、申込後審査に通れば、講習と面接を経てから、ボランティア登録となり、子犬を待つことになります。
10ヶ月間の生活を共にしてきた犬との別れは、とても辛いように思いますが、パピーウォーカーをされる方にとっては、我が子を送り出す気持ちに近いようです。
大型犬を室内で飼える環境にあることが大前提ですが、子育て世帯にも良い影響があり、世のために役立つボランティア活動にもなるため、やってみるのも良いかもしれませんね。
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